概要
本サービスは、オーリンクプロテオミクス株式会社が提供するProximity Extension Assay(PEA法)をベースとした高感度なタンパク質定量解析です。血清・血漿などの微量検体に対して、多数のタンパク質(現在、約3,000種類)の発現値を次世代シーケンサーまたは、リアルタイムPCRでリードアウトする革新的な技術です。
本技術によって、従来測定法では困難とされていた、微量の血清・血漿を用いたタンパク質の網羅的定量解析が可能となります。本サービスでは、血清・血漿を用いた網羅的バイオマーカー探索やゲノム情報とタンパク質情報を統合したマルチオミックス解析など、広範な研究をサポートいたします。
特長
PEA法による特異性の高いイムノアッセイと次世代シーケンサーを組み合わせ、高感度でハイスループットな解析を実現しました。
Olink
® Explore 3072の使用により最大約3,000種類のタンパク質を同時に定量できます。
・Olink
® Explore 3072については、オーリンクプロテオミクス社の
HPからもご覧いただけます。
- Immuno Reaction
抗体の交差反応性を排除するため、標的タンパク質に対して、2種類の特異的な1本鎖DNAタグ付き抗体を用いてイムノアッセイを行います。
- Extension/Pre-Amplification
2種類の特異的な抗体が正しく標的タンパク質を認識した場合のみ、それぞれの抗体に付加している1本鎖DNA同士がハイブリダイゼーションし、2 本鎖 DNA が形成されます。
次に、この2本鎖DNAを鋳型にしてPCRを行います。
- Sequencing / Analysis
最後に、増幅したDNA断片をリアルタイム PCR や次世代シーケンサーで検出し、標的タンパク質の発現量を定量解析します。
オーリンクプロテオミクス社で提供しているタンパク質パネルOlink® Explore 3072(心臓代謝疾患、炎症性疾患、神経疾患、腫瘍性疾患の4領域、各2種類のパネル)を用いることで、最大約3,000種類のタンパク質を同時に測定します。
広範囲の濃度でタンパク質の定量解析が可能
PEA法ではDNAタグ付き抗体を使用することで従来法より高い特異性を示します。
また、PCRによるDNA断片の増幅によって検出感度を高めます。
その結果、質量分析法では測定が困難であったサイトカインやケモカインなどの低濃度タンパク質の検出も可能です。
さらに、高濃度のタンパク質は抗体反応に最適化されたサンプル希釈率を用いて測定することで、広範な濃度のタンパク質を解析できます。
(
fig.2)
Olink® Explore 3072
心臓代謝疾患 |
Olink®Explore 384 Cardiometabolic Olink®Explore 384 CardiometabolicⅡ |
炎症性疾患 |
Olink®Explore 384 Inflammation Olink®Explore 384 InflammationⅡ |
神経疾患 |
Olink®Explore 384 Neurology Olink®Explore 384 NeurologyⅡ |
腫瘍性疾患 |
Olink®Explore 384 Oncology Olink®Explore 384 OncologyⅡ |
パネル中のタンパク質概要
- 血液中の分泌タンパク質:「The Blood Atlas」から選出
- 組織特異的な血液バイオマーカー:主要27臓器の漏出タンパク質
- 炎症性タンパク質:PubMedの抄録3,500万件からテキストマイニングでピックアップ
- 薬剤標的タンパク質:既存薬と現在進行中の治験候補
- 質量分析によって同定された血液に含まれるタンパク質
検出可能なタンパク質一覧は
こちら
リアルタイムPCRベースのOlink
® Targetもご利用いただけます。ご相談ください。
Olink®のデータ取得フロー(fig.4)
納品物
- 解析報告書(Olink® NPX Exploreより出力されたAnalysis Reportを含む)
- データHDD / USB/DVD-R:NPX output file(.csv形式)
検体種
血清、血漿 100uL
(その他のサンプル種については、別途ご相談ください。)
ご提出方法
Olink
®では、96ウェルプレートに検体をランダムに配置してアッセイを行います。
そのため、検体を96ウェルプレートにランダムに配置した状態で、冷凍送付してください。
ランダマイズの方法については、発注時にお問合せください。
*理研ジェネシスでのランダマイズをご希望される際は、別途費用がかかります。